文字・活字と触れ合う最初の一歩として (2016年12月~)
本を読む行為を、食事に例えることがあります。「食べ物なら何を食べても良いわけではない。子どもたちには、スナック菓子やインスタント食品ではなく、栄養バランスを考えて、質の高い材料で、愛情をもってつくられた料理を食べさせるべきだ。」と。正論です。正論ですが、しかし、どれだけ愛情を込めて作られたそのような料理でも、それを食べる子どもが「食べたい!」と思うような料理でなければ、食べてもらえないという現実もあります。どれだけ栄養価が高く、大人にとって美味しいと感じられる食材でも、それを嫌いな子どもに無理やりに食べさせれば、余計にその食材を嫌いになってしまうでしょう。それどころか、食事そのものが楽しくなくなってしまうかもしれません。
そんな、食事に例えた議論を、本を読むという行為に戻って考えてみました。
そもそもマンガやラノベ(ライトノベル)は、日本が世界に誇るべき代表的な文化です。決して、粗悪で栄養価の低いようなものではありません。むしろ、子どもたちが栄養価の高い食材を喜んで美味しく食べられるように工夫を凝らした、素晴らしい創作料理であると考えます。
マンガやラノベは、今や国策の一つとして経済産業省が進める「クールジャパン」戦略におけるソフト資産(コンテンツ)の一つとして、大きな期待が寄せられています。豊川市出身の人気の高いマンガ家さんやライトノベルの作家さんもいます。最近では、マンガ家やライトノベル作家は職業としても注目を浴びています。
通常は、1階の一般書架と児童コーナーの間の位置に置かれることの多いティーンズ向け図書のコーナーですが、敢えて2階に「貸出不可」のコーナーとして、この「マンガ・ラノベコーナー(T2)」を設置しました。2階へ上がる際に、1階エントランスでの様々な図書展示を見てもらいたい。図書館という空間で本を読むという体験をして欲しい。そんな想いで、このコーナーを立ち上げました。最近の休日などは、親子連れや友だち同士で賑わっています。ぜひ、ご利用ください。